研修の受講者の中に、1年前に会社の費用で3か月のプログラミング講座を受けた、という方がいました。経理の担当で、Pythonというプログラミング言語(データの集計などによく使われる)を週2回、夜の講座で学んだそうです。

この記事は、そうした両方の研修を経験した何人かの受講者から聞いた話を、1人の経理担当の方の話としてまとめ直したものです。非エンジニアの社員にプログラミング研修を受けさせるか迷っている方の判断材料になればと思います。

3か月の講座で残ったもの

その方は、3か月の講座をきちんと修了しています。変数、条件分岐、繰り返しといった基本(値に名前を付ける、条件で処理を分ける、同じ処理をくり返す、など)を学び、最後の課題では、架空の売上データを集計するプログラムを書き上げました。

ところが、職場に戻ってから使えたものは、ほとんどなかったそうです。

「講座の課題はできたんです。でも、自分の仕事のExcelは、講座の課題よりずっとぐちゃぐちゃで。どこから手をつければいいか、わからなかった」

プログラミングの基本を知っていることと、目の前の業務の課題を解けることの間には、思った以上に距離がある。非エンジニアのプログラミング研修でよく聞く話です。

2日間のClaude Code研修で残ったもの

Claude Codeの研修では、最初から自分の業務のファイルの形を持ち込んでもらいます。その方が選んだのは、毎月の経費精算の明細を部門ごとに集計する作業でした。

2日目の午後には、その集計を自動で行うツールが動いていました。プログラムを書いたのはClaude Codeで、その方がしたのは、どんな集計が欲しいのかを言葉で説明することと、出てきた結果を元の表と照らし合わせることです。

「講座のときより、自分の仕事のことを考えている時間が長かった」というのが、その方の感想でした。Claude Code研修の時間割は別の記事で公開しています。

では、プログラミング研修は無駄だったのか

そうではない、というのがその方自身の答えでした。

「3か月の講座で、変数とか繰り返しとかの言葉を知っていたから、Claude Codeが書いたプログラムを少しは読めたんです。どこで何をしているか、なんとなくわかる。それがあると、AIに直してほしいところを伝えやすかった」

実際、その方はほかの受講者より、AIへの修正の頼み方が具体的でした。プログラミングの基本は、Claude Codeを使うときにも無駄にならない。ただ、基本を学ぶことと、業務の課題を解くことは、別の研修として分けて考えたほうがいいのだと思います。

比べると、こうなる

2つの研修を並べると、違いはこう整理できます。

比べる点

プログラミング研修

Claude Code研修

学ぶもの

プログラミング言語の文法と考え方

作りたいものを言葉にし、AIに作らせて確かめる方法

期間の目安

数か月

2日間ほど

研修直後に残るもの

講座の課題

自分の業務で使うツール

向いている期待

将来、自分でコードを読み書きしてほしい

まず目の前の業務を自動化してほしい

非エンジニアの社員に何を期待するかで、選ぶ研修は変わります。

私たちが勧めている順番

研修を請ける側として、私がおすすめしている順番は、Claude Code研修が先、プログラミングの基本はその後、です。

先に自分の業務の道具を1つ作ると、「この部分をもっと自分で直せたら」という動機が生まれます。その動機を持ってからプログラミングの基本を学ぶと、学ぶ理由がはっきりしているので続きやすい。逆の順番だと、何のための文法なのかが見えないまま、途中でやめてしまう人が多いと感じています。

プログラミングの基本を学ぶなら、Claude Codeの学習モードを使う方法もあります。AIが作業を進めながら、要所のコード(プログラムの中身の文字)を受講者に書かせてくれる設定で、コマンド1つで切り替えられます。

その方の、いまの使い方

その方は今、月に1つずつ、経理の定型作業をClaude Codeで自動化しています。3か月の講座で覚えた基本は、AIが書いたプログラムを確かめるときに役立っているそうです。

非エンジニアにプログラミング研修を受けさせるか迷っているなら、まず2日間で業務の道具を1つ作るところから始めてみてください。当メディアの運営会社でも、プログラミング未経験の方向けのClaude Code研修を行っています。