企業研修の初日、自己紹介が終わったところで、総務の方が手を挙げました。
「すみません、そもそもClaude Codeってどこの会社が作っているんですか。稟議に書かないといけなくて」
もっともな質問です。道具の使い方より先に、作り手の素性を知りたい。会社で新しいサービスを入れるなら当然の順番だと思います。
研修で実際によく出る質問を、答えと一緒に並べました。2026年10月15日時点で、公式の情報を中心に確かめた内容です。
Q. Claude Codeはどこの会社のサービスですか
アメリカのAnthropic(アンソロピック)という会社のサービスです。
Anthropicは、対話型AIのClaudeを作っている会社で、Claude Codeはその仲間の製品です。Claudeが「話して答えてくれる相手」なら、Claude Codeは「パソコンの中で実際にファイルを読み書きして、作業を進めてくれる相手」です。両者の違いは別の記事で整理しています。
よく混同されるのが、ChatGPTを作っているOpenAIです。Claude CodeはOpenAIの製品ではありません。似た立ち位置の製品として、OpenAIにはCodex(OpenAIのプログラミング用AI)があります。
Q. Anthropicはいつ、どこでできた会社ですか
2021年に設立され、本社はアメリカのサンフランシスコにあります。創業メンバーには、現在CEOを務めるダリオ・アモデイ氏と、プレジデントのダニエラ・アモデイ氏が含まれます。
会社の形はPublic Benefit Corporation(公益目的会社)です。利益を追うだけでなく、定款に公益の目的を書き込んでいる会社の形で、Anthropicの会社ページには「高度なAIを人類の長期的な利益のために責任をもって開発・維持すること」が目的として書かれています。
AIの安全性の研究を前面に出している会社、と覚えておくと、ほかのAI企業との違いが見えやすいと思います。
Q. 日本に拠点はありますか
あります。2025年10月に東京オフィスを開いていて、アジア太平洋で最初の拠点です。日本法人の代表には東條英俊氏が就いています。
稟議で「海外の会社で、問い合わせ先が日本にない」と書かれて止まる話を、研修先で何度か聞いてきました。窓口が国内にあるかどうかは、日本の会社にとって意外と効く情報です。ただ、契約の手続きや請求がどの法人名義になるかは、契約の形によって変わります。ここは営業窓口に確かめるのが確実です。
Q. Anthropicは他にどんな製品を出していますか
会社ページには、Claude、Claude Codeのほかに、Claude Cowork、Claude Design、Claude in Chrome、Claude for Microsoft 365などが並んでいます。モデル(AIの頭脳にあたる部分)の名前としては、Opus、Sonnet、Haikuといった系統があります。
モデルと製品の名前が混ざってわかりにくい、という声もよく聞きます。私も最初は、Opusが製品の名前だと思っていました。Claude Codeという道具の中で、OpusやSonnetといった頭脳を選んで使う、という関係です。
Q. 会社の業務で使っても大丈夫ですか
使えます。ただし、どの契約で使うかで条件が変わります。会社で使う前に、最低限この3か所は確かめてください。
1つ目は、入力した内容がAIの学習に使われるかどうかです。公式のドキュメントでは、個人向けのFree(無料)やPro・Max(個人の月額プラン)では本人の設定しだいで学習に使われることがある一方、TeamやEnterprise、API(プログラムから使う契約)などの商用の契約では、原則として学習に使わないとされています。
2つ目は、データがどのくらい保存されるかです。商用の契約では、Anthropic側のサーバーに標準で30日保存されるとされています。
3つ目は、管理者が利用ルールを配れるかどうかです。会社で何人も使うなら、触ってはいけないファイルを一括で禁止する、といった設定を管理者側から配れる契約のほうが運用は楽です。
個人のProを社員が自腹で契約して業務に使う、という形は避けたほうがいいと私は考えています。学習の設定が人によってばらばらになり、会社として説明がつかなくなるからです。
セキュリティ面の注意点と、社内に広げる手順は、それぞれ別の記事にまとめています。
Q. 稟議書には何と書けばいいですか
冒頭の総務の方には、こう書いておけば最初の質問は通りやすい、と伝えました。
提供元は米Anthropic, PBC(2021年設立、本社サンフランシスコ、2025年に東京オフィス開設)。利用はTeamなど商用の契約で行い、入力内容はモデルの学習に使われない条件で契約する。管理者が利用範囲を設定できる。
この3行があるだけで、「どこの会社の、どんな条件のサービスなのか」という最初の壁は越えられることが多いです。チームで契約するときの流れは、こちらの記事が参考になります。
Claude Codeがどこの会社の製品かがわかると、次に気になるのは「うちの会社のデータはどう扱われるのか」です。そこまで説明できれば、Claude Codeを会社で使う準備の半分は済んでいます。





