GMOの「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスを見て、自分の借りているサーバーやパソコンは大丈夫だろうか、と思った人は多いと思います。ただ、何を確かめればいいのか、どこを見ればいいのかがわからない。
この記事では、Claude Code(AIに頼んでパソコンやサーバーの作業を手伝ってもらえる道具)に、設定を読ませて点検の一覧を作らせる手順を紹介します。ポイントは、変更は一切させず、読むだけに限ることです。
対象は、レンタルサーバーやVPS(インターネット上に借りる自分専用のパソコン)を自分で借りて管理している人です。Claude Codeを入れたことがない人は、先にはじめ方の記事を読んでください。
まず「読むだけ」の約束をする
点検で一番避けたいのは、AIが気を利かせて設定を書き換えてしまうことです。Claude Codeは、ファイルを書き換える前や、中身を変えるおそれのあるコマンド(サーバーに文字で出す命令)を実行する前に、「実行していいですか」と確認してきます(権限の設定)。ただし、中身を表示するだけの一部のコマンドは、確認なしで実行されます。
点検のときは、プランモードにしておくと、ファイルは編集されません。プランモードは、Claude Codeが調べて計画を示すところまでで止まるモードで、Claude Codeの入力欄でShift+Tabを押すと切り替わります。そのうえで、最初の指示で次のように頼んでおきます。
これからサーバーの設定を点検します。ファイルの書き換え、設定の変更、サービスの再起動は一切しないでください。読むだけのコマンドだけを使い、実行する前に毎回そのコマンドを見せてください。
この指示はAIへのお願いで、仕組みとして禁止するものではありません。プランモードと組み合わせて使ってください。権限の設定の詳しい説明は、別の記事にあります。
点検する項目
Linux(レンタルサーバーやVPSでよく使われている、サーバー向けのOS)のサーバーなら、たとえば次の項目を、読むだけで確かめられます。
- 外から接続を受け付けている窓口(ポート)の一覧
- SSH(サーバーに文字で接続する仕組み)でパスワードによるログインを許しているか
- 管理者のアカウントで直接ログインできるか
- 最近ログインした記録に、覚えのない接続元がないか
- 自動で動く処理(cron)に、覚えのないものがないか
- 更新されていないソフトがあるか
項目によっては、管理者の権限(sudo)が要ります。また、入っているソフトの最新の一覧を取り寄せる作業(apt updateなど)は、サーバーの中身を少し書き換えるので、Claude Codeに頼まず、点検の前に自分で済ませておきます。
Windowsのパソコンやサーバーなら、リモートデスクトップが有効か、接続を受け付けているか、ドライブやクリップボードの共有がどう設定されているか、なども対象になります。Windowsの場合も、同じように項目を並べて「読むだけで確かめて表にして」と頼めば使えます。リモートデスクトップの共有の危うさは、別の記事で説明しました。
頼み方の例
項目を並べたうえで、結果を表にしてもらいます。
上の項目を1つずつ、読むだけのコマンドで確かめて、結果を「項目、今の状態、気になる点、直すならどうするか」の表にしてください。直すのは私が判断するので、提案だけにしてください。
最後の一文が大事です。直す方法の提案はもらいますが、実際に直すかどうか、いつ直すかは自分で決めます。
実際にやってみた結果
私は試しに動かすために借りているLinuxのサーバーにもClaude Codeを入れておき、SSHで入ってそこで起動して、この手順を試しました。Claude Codeは、ポートの一覧を出すコマンドや、SSHの設定ファイルを表示するコマンドを、1つずつ見せてから実行しました。
できあがった表で気になる点として挙がったのは、2つでした。SSHでパスワードによるログインが許されたままだったことと、半年近く更新していないソフトがいくつかあったことです。どちらも、指摘されれば当たり前の内容ですが、自分では見に行っていませんでした。
直すのは、翌日に自分の手で行いました。Claude Codeには、直す手順の説明だけを書いてもらい、1行ずつ意味を確かめながら打ちました。
気をつけること
この点検は、自分が管理しているサーバーやパソコンにだけ行ってください。他人のシステムを勝手に調べると、不正アクセス禁止法などの法律に触れたり、相手とのトラブルになったりするおそれがあります。
また、AIの点検で見つかるのは、頼んだ項目の範囲の問題だけです。何も見つからなかったからといって、安全が保証されたわけではありません。GMOの件のように、事業者の側の守りが破られた場合は、利用者の点検では防げない部分もあります。
点検を定期の作業にする
一度やって終わりにせず、月に1回など、日を決めて同じ頼み方で点検すると、前の月との違いに気づけます。頼み方の文は、メモに残しておくと毎回そのまま使えます。
複数のサーバーのソフトの版をまとめて調べる手順は、PHPの件で書いた記事が参考になります。




