Claude Codeの研修をすると、Windowsの方とMacの方で最初の1時間の進み方が変わります。Windowsのほうが、インストールの後で止まる場所が多いのです。

インストールそのものの手順は別の記事に書きました。ここでは、入れ終わった後のWindowsでの使い方を、研修で実際に案内している順番で追います。2026年10月15日時点の公式ドキュメントで確かめた内容です。

1. 起動する画面を決める

WindowsでClaude Codeを動かす場所は、大きく分けて2つあります。Windowsのまま動かすか、WSLの中で動かすかです。WSLは、Windowsの中でLinuxという別のOSを動かす仕組みです。

公式ドキュメントの比較を短くまとめるとこうなります。

動かす場所

準備

サンドボックス

向いている人

Windowsのまま

不要

使えない

Excelなど普段のWindowsのファイルを扱う人

WSL 2

WSL 2を有効にする

使える

開発の道具がLinux前提の人

サンドボックスは、Claude Codeが実行するコマンドを囲いの中に閉じ込めて、触れる範囲を絞る機能です。

どちらに当てはまるかわからなければ、Windowsのままで大丈夫です。非エンジニアの方には、まずWindowsのままをすすめています。扱いたいファイルがWindowsのフォルダにあることがほとんどだからです。Windowsのままなら、スタートメニューで「ターミナル」と検索して開いてください。最初からPowerShellの画面になっています。

2. 作業フォルダに移動してから起動する

Claude Codeは、起動したフォルダを作業場所として扱います。ここを意識しないまま起動して、「ファイルが見つからない」と言われる人が研修では毎回出ます。

PowerShellで、作業用のフォルダに移動してから起動してください。

cd "C:\Users\yamada\Documents\月次集計"
claude

cd は「このフォルダに移動して」という命令で、yamada の部分は自分のユーザー名に置き換えます。フォルダ名に空白や日本語が入っていても、ダブルクォーテーションで囲めば動きます。移動したい場所のパス(フォルダやファイルの住所のような文字列)を打つのが面倒なら、エクスプローラーでフォルダを右クリックして「パスのコピー」を選び、貼り付けるのが早いです。

3. 動いているかを確かめる

起動する前に、一度だけ状態を確認しておくと後が楽です。

claude --version
claude doctor

claude doctor は、インストールや設定に問題がないかを読み取り専用で点検してくれるコマンドです。PowerShellで claude が見つからないと言われたら、パソコンがclaudeの置き場所をまだ知らない状態です。インストールの直後なら、ターミナルを一度閉じて開き直すだけで直ることがよくあります。

4. Git for Windowsを入れるかどうか決める

ここがWindowsならではの分かれ道です。

Gitはファイルの変更履歴を管理する道具で、Windows版のGit for Windowsには、Macと同じ書き方のコマンドを使える画面(Git Bash)が付いてきます。

Claude Codeは作業の途中で、ファイルの一覧を取ったりプログラムを動かしたりするために、シェル(コマンドを受け取って実行する仕組み)を使います。公式ドキュメントによると、Windowsのままの場合、Git for Windowsが入っていればGit Bashを使い、入っていなければPowerShellを使います。

私は最初、Git for Windowsを入れずに使っていて、ネットの解説記事どおりのコマンドを頼むと動かないことが何度かありました。解説記事の多くがBashという別の書き方を前提にしているからです。入れてからは、この食い違いがほぼなくなりました。開発寄りのことをするなら入れておくのが無難です。

Git Bashを入れたのに見つけてくれないときは、ユーザー名のフォルダの中の .claude フォルダにある settings.json(なければ新しく作る)で場所を教えます。\ を2本続けて書くのは、この形式の決まりです。

{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_GIT_BASH_PATH": "C:\\Program Files\\Git\\bin\\bash.exe"
  }
}

5. ファイルの場所はそのまま貼って伝える

依頼の中でファイルを指定するとき、Windowsのパスはそのまま貼り付けて大丈夫です。

エクスプローラーの「パスのコピー」で取ったパスを依頼文に貼り、「このファイルの担当者ごとの合計を出して」と続ければ通じます。作業フォルダの中のファイルなら、ファイル名だけでも伝わります。

日本語のファイル名もそのまま扱えます。ただ、新しくファイルを作ってもらうときは、名前を英数字にしてもらうと、メールに添付したときや別のシステムに取り込むときの文字化けが減ります。これは公式の決まりではなく、私の運用上の好みです。

6. 改行コードの違いに気をつける

最後は、Windowsで作ったテキストファイルを扱うときの話です。

Windowsのファイルは、行の終わりを表す記号(改行コード)がMacやLinuxと違います。Windowsは「CRLF」、MacやLinuxは「LF」という形式です。Claude Codeに書き換えてもらったファイルの改行コードが変わり、社内の古いシステムに読み込ませたら崩れた、という相談を受けたことがあります。

特定のシステムに取り込むファイルを作ってもらうときは、「改行コードはCRLFのままにして」と依頼に一言添えてください。これだけで防げます。

WSLに移るのはどんなときか

Windowsのままで困らないうちは、無理にWSLへ移る必要はありません。

移ったほうがいいのは、作るものがLinuxの道具を前提にしているときと、サンドボックスでコマンドの範囲を絞りたいときです。WSLの中で使う手順は、別の記事にまとめています。

Claude Codeの使い方そのものは、WindowsでもMacでもほとんど同じです。違うのは、起動する画面、シェル、ファイルの場所の書き方、改行コードの4点。ここさえ押さえれば、Windowsだから遅れるということはありません。