「お名前.com デスクトップクラウド」の不正アクセスで、GMOは第4報から第9報にかけて、利用者にいくつもの依頼を出しています。報ごとに少しずつ足されていて、全部を順に読むと、何から手を付ければいいのかがわかりにくくなっています。

この記事は、GMOの公式発表の依頼を、やる順番に並べ直したチェックリストです。10月27日時点の内容です。新しい報が出たら、公式の発表を優先してください。

まず、作業に使う端末を分ける

いちばん大事な前提です。GMOは第6報で、デスクトップクラウドに接続していた端末とは別の、安全な端末で作業するよう求めています。接続していたパソコンに何か仕掛けられていた場合、そこで新しいパスワードを打つと、また盗まれるおそれがあるからです。

スマートフォンや、家族の別のパソコンなどを使います。操作はメールやSMS(携帯電話のショートメッセージ)のリンクからではなく、各サービスの公式サイトやアプリを自分で開いて行います。

取引口座を守る(今日中に)

別の端末で、次の順に進めます。

  1. FX会社や証券会社のマイページで、ログイン中の全端末・全セッション(ログインしたままの状態)を切断する。わからなければFX会社の窓口に頼む
  2. 取引口座と取引ソフト(MT4やMT5)のパスワードを変える
  3. メールやGoogleなど、ほかに使っているサービスのパスワードも変える
  4. 各サービスで多要素認証(パスワードに加えて、スマートフォンの確認コードなどを求める仕組み)を有効にする
  5. 心当たりのない連携アプリ(Googleなどのアカウントでログインを許可した外部のアプリ)、メールの転送設定、ブラウザの拡張機能(ChromeやEdgeに後から追加した機能)、登録端末を消す。Googleのアカウントなら「セキュリティ」の画面で確かめられる
  6. 手元のパソコンの検査(次の章)が終わるまで、ブラウザの同期(複数の端末でパスワードや履歴を共有する機能)をオンにしない

私も、ふだん使っているサービスのパスワードを家族のパソコンから変えたことがあります。使い回していた先が想像より多く、1時間では終わりませんでした。取引口座とメールを先に済ませ、残りは翌日に回すくらいの割り切りでいいと思います。

手元のパソコンを調べる

GMOは手元の端末(パソコンやスマートフォン)について、ウイルス対策ソフトのフルスキャン(すべてのファイルを調べる検査)と、データのバックアップ(大事なファイルを外付けのUSBメモリなどにコピーしておくこと)を求めています。Windowsなら、標準の「Windows セキュリティ」でもフルスキャンができます。

攻撃者が予告した10月27日12時の前には、さらに、ネットワークを切り、電源を落とし、LANケーブルやUSB機器などPCにつながっているコードを抜くよう依頼していました。予告の時刻を過ぎたあとの扱いは、新しい報を確かめてください。

なぜ借りたクラウドではなく手元のパソコンまで心配するのかは、リモートデスクトップの仕組みと合わせて別の記事で説明しています。

GMOは端末を預かって解析しています。第9報によると、解析を終えた端末からは11時59分の時点で不正なプログラムは見つかっていません。ただし、すべての利用者の端末の安全を確かめたものではないとしています。ランサムウェア(データを使えなくして身代金を求めるプログラム)の被害を受けた場合は、窓口に連絡すれば、確認のうえで同等のパソコンを提供するとしています。

補償と見舞金の期限を控える

第4報で決まったことを、期限と一緒に控えておきます。

内容

期限

見舞金(現在の利用者全員に一律5,000円)の手続きの案内

10月30日23時59分までにメールで届く

代替サービス(希望者向けに別の設備で動く代わりのWindowsパソコン、6か月無償)の案内

10月30日までに知らせる

不正な取引の損失補償の申請方法

11月6日までに知らせる

損失補償の対象は、不正アクセスが原因の取引で確定した損失です。相場の動きによる損失や、得られたはずの利益は対象外です。FX会社にも取り消しや返金を相談し、返金があればその分は差し引かれます。代替サービスへは、同意なしに移されることはないとしています。申請には、日時、取引の内容、損失額がわかる資料が要るので、取引履歴の画面を今のうちに保存しておくと後が楽です。

便乗した詐欺に注意する

GMOは、パスワードや認証コードを聞くことはないと繰り返し書いています。「被害金を取り戻す」などと言って費用を求める連絡には応じないように、とも注意しています。

事故の直後は、補償の手続きを装ったメールや、被害の回復を請け負うという勧誘が増えます。補償や見舞金の案内は、登録してあるメールアドレスに届くとされています。届いたメールのリンクは押さず、公式サイトのお知らせと照らし合わせてから動いてください。

問い合わせ先は、公式の問い合わせフォームと電話(03-5456-2560、24時間受付)です。

時系列を確かめたいとき

ここまでの経緯を日付順に追いたい場合は、こちらにまとめています。