GoogleがGeminiアプリとGoogle Workspaceに「スキル」を入れると発表しました。2026年9月30日の発表で、以下ではこれをGemini スキルと呼びます。
スキルは、よく使う手順や文章の型をファイルにしてAIに覚えさせておく仕組みです。Claudeにも同じ機能があり、SKILL.mdはClaude(ブラウザやアプリで使うチャット)でもClaude Code(パソコンを操作する開発向けの道具)でも使えます。
この記事のお題は1つです。Claude用に書いたスキルを、Geminiでそのまま使えるのか。 私は業務の手順をスキルとして20本ほど持っていて、その多くはClaude Code用です。他人事ではありませんでした。10月8日時点の公式情報を当たって調べた結果を書きます。
発表の中身
Gemini スキルは、何度も使う指示を登録しておき、Geminiに頼むときに呼び出す仕組みです。公式の説明では、Geminiアプリと大半のWorkspaceアプリ(Googleドキュメントなど)で使えます。
特徴は1回の依頼で複数のスキルを重ねられること。たとえば「自社の文体で書く」スキルと「提案書の型」スキルを同時に効かせる、という使い方です。
作成はGeminiアプリや、ドキュメントなどのWorkspaceアプリにある作成画面(skill builder)から行い、チームに共有もできます。管理者側には、スキルを使ってよい人を設定で制御する項目が用意されます。
形式はSKILL.md、つまりClaudeと同じ
調べたかった核心はここでした。公式の文章をそのまま訳すと、Geminiのスキルは「オープンでMarkdownを土台にしたSKILL.mdという標準の上に全面的に作られている」。そのため他のサービスで作ったスキルをGeminiとWorkspaceに持ち込めると明記されています。
SKILL.mdは、Anthropicが最初にClaude向けに作り、のちに誰でも使える形式として公開したものです。中身はただの文章ファイル(Markdown)です。先頭の --- で挟んだ部分に名前と「いつ使うか」の説明を書くのが決まりで、その下に手順を書きます。
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name: weekly-report
description: 週報を作るときに使う。箇条書きのメモから定型の週報を作る
---
# 週報の作り方
1. メモを「今週やったこと」「来週やること」「困っていること」に分ける
...
Claude Code側でのスキルの置き方や読み込まれ方は、以前の記事で書きました。
いつ使えるようになるか
展開は段階的です。
対象 | 開始 | 完了見込み |
|---|---|---|
Workspace(新機能を早く受け取る設定の組織) | 10月5日 | 10月12日ごろ |
Workspace(通常の設定の組織) | 10月19日 | 11月中旬 |
Geminiアプリ | 10月13日 | 11月中旬 |
Workspaceの対象はBusiness Starter、Standard、Plus、Enterprise Starter、Standard、Plusなどのエディションです。会社のWorkspaceがどちらの受け取り方の設定かは管理者に聞くと分かります。
1つ注意があります。GeminiアプリとWorkspaceアプリの間でスキルは同期されません。 両方で使いたいなら、それぞれに作る必要があります。
Gemsはなくなる
発表の中でいちばん影響が大きいと感じた部分です。Gems(役割や指示をあらかじめ登録しておける、自分専用のGemini)が、スキルに置き換わります。
日程は次のとおりです。
- 2026年11月17日 Gemsが設定画面の中へ移動(使えるまま)
- 2027年3月1日 ビジネス向けでGemsの作成と利用が終わり、スキルの下書きへ自動移行が始まる
- 2027年6月1日 教育機関向けで同じ扱い
自動で下書きに移されるとはいえ、下書きのまま放置すると使えません。Gemsを業務で使っている会社は、来年3月より前にGemini スキルへの移し替えを確かめる時間を取っておくのが安全です。
実際に持ち込めるか、手元のスキルで点検した
形式が同じなら、ファイルをそのまま渡せば動くのか。10月8日時点では私の環境にまだ機能が来ていないので、実際の読み込みは試せていません。代わりに、手元のスキルがGemini側で意味を持つ書き方になっているかを見直しました。
正直、ここで手が止まりました。私のスキルの半分くらいは「このコマンドを実行する」「このフォルダのファイルを書き換える」といった、Claude Codeがパソコンを直接操作する前提で書いてあったからです。
Geminiのスキルが動くのはGeminiアプリとWorkspaceの中です。文書の下書き、メールの返信、表の整理のような指示と文章の型だけで完結するスキルは持ち込みやすい。逆に、コマンドの実行や手元のファイル操作に頼るスキルは、形式が読めても同じ動きは期待できません。
もう1つ、Claudeのスキルはフォルダの中に補助のスクリプト(自動で処理を行う小さなプログラム)や参考資料を一緒に置けます。Gemini側がそうした付属ファイルをどこまで扱うかは、発表文には書かれていません。ここは実際に機能が届いてから確かめる予定です。
調べてわかった答え
形式は共通なので、文章の指示だけでできているスキルは持ち込めると公式に書かれています。パソコン操作を前提にしたスキルは、ファイルが読めても役に立たない可能性が高い。付属ファイルの扱いは未確認です。
私はこれを機に、スキルを「どこでも使える文章の型」と「Claude Code専用の作業手順」の2つに分けて書き直すことにしました。前者はClaude、Gemini スキル、そのほかSKILL.md対応の道具で使い回せます。
スキルを一から作る手順は、こちらの記事が入口になります。





