「パソコンを閉じても作業が続く」。OpenAIが9月29日のDevDay 2026で発表した、Codexのクラウド側の更新です。
気になったのは、閉じたあと何がどこで動いているのか。会社のコードを預ける前に、公式ドキュメントで確かめました(10月8日時点)。Codexは、OpenAIが出しているClaude Codeと同じ種類の道具です。
問い 閉じたあと動いているのは誰のパソコンか
答えはOpenAI側のコンピューターです。
Codex cloudの作業は、クラウド上の隔離された作業場所(自分のPCや他の作業から切り離された部屋)で動き、公式にもコンピューターがスリープしていても動き続けるとあります。手元のPCは指示を出す窓口にすぎません。
調べてわかったこと1 環境を一度作れば使い回せる
環境とは作業に必要な一式のこと。どのGitHubリポジトリ(コードの保管場所)を使い、どの部品(他の人が公開しているプログラムの材料)を入れ、どこへの通信を許すか。一度用意して公開すれば、新しいタスクは毎回その設定から始まります。
- 部品を入れる「インストールスクリプト」と、起動して準備できたか確かめる「スタートスキル」
- 通信先の指定。npmやPyPIといった部品の配布元や、独自のドメイン(example.comのようなネット上の住所)を許可できる
- 秘密情報(APIキーなど)は、プログラムには仮の値しか渡らず、許可した送り先への通信のときだけ本物に差し替わる
3つ目は、合鍵の代わりにダミーの鍵を渡し、許可した玄関を通るときだけ本物に替えるイメージです。うっかり出力されても漏れるのはダミーです。
マシンの大きさはプランで違います。PlusとEdu Plusは2 vCPU(CPUの処理の単位)とメモリ8GiB(ほぼGBと同じ単位)、Pro・Business・Enterpriseはその2倍。Enterpriseでは環境をチームで共有でき、共有しても他人のタスクの中身や環境の編集権は渡らないと明記されています。
クラウド環境の中でのcomputer use(画面を見てマウスやキーボードを操作する機能)とブラウザ操作、GitLabは未対応です。
調べてわかったこと2 コードレビューとセキュリティ検査
コードレビューは、GitHubのプルリクエスト(変更を本番のコードに入れる前の確認依頼)向けが一般提供、GitLab(GitHubと同じ種類のサービス)のマージリクエスト(プルリクエストと同じもの)向けがプレビュー。ChatGPTのデスクトップアプリで要約と差分(変更前後の違い)を見ながらCodexに質問し、コメントを返す流れです。
Codex Security Cloudはリサーチプレビューです。ChatGPTのプラグイン一覧から入れてGitHubのリポジトリを接続すると、1回だけの検査か、本番として扱うコードに変更が入るたびの継続検査を選べます。問題には深刻度がつき、「Fix with Codex」で修正案を作れます。
対象プランは公式ドキュメントに記載がありません。報道では、Pro・Business・Enterprise・Eduが対象で、使った量に応じた課金になり、既存の利用者には有料化の前に通知があると伝えられています。
調べてわかったこと3 Team Tasksは人ではなくチームの名義で動く
Team Tasksは、決まった時刻や出来事をきっかけに作業を走らせる機能です。たとえば商談が成約したら社内の管理表を更新する、といった使い方です。
個人ではなくチームのサービスアカウント(仕組みのために用意する共用アカウント)と、管理者が承認した接続先で動くので、担当者が異動しても止まりにくい。費用はワークスペースのクレジットから引かれ、チームの支出上限は個人の上限と別に管理されます。単価は10月8日時点で非公開です。
Claude Codeのクラウド実行と並べると
Claude Codeにも同じ仕組みがあります。claude.ai/codeやスマホのアプリ、ターミナル(文字を打って操作する黒い画面)の claude --cloud から、Anthropic側の仮想マシン(サーバーの中に用意される1台分のパソコン)で作業させる形で、ノートPCを閉じても動き続けます。対象はPro・Max・Teamと、Enterpriseの一部の席。マシン代は別にかかりません。
違いは専用機能に出ています。Codexはセキュリティ検査を切り出し、Claude Codeはプルリクエストを見張って直す自動修正や、時刻やGitHubの出来事で動くRoutinesを持っています。
私はClaude Codeのクラウド実行を普段使っていますが、最初の失敗は、まだGitHubに送っていない手元の変更を前提に指示したことでした。クラウド側はGitHubにある状態を取ってくるので見えません。Codex cloudも同じなので、**任せる前にGitHubへ上げておく(プッシュ)**癖はどちらでも効きます。
わかった答え
閉じたあとに動いているのはOpenAIのクラウド上の隔離された作業場所で、中身は自分たちで公開した環境の設定どおりです。通信先と秘密情報の扱いを先に決めれば、預ける範囲は自分で絞れます。
試すなら、小さなリポジトリ1つと、通信先を部品の配布元だけに絞った環境から。Codex cloudに慣れたら、レビューと検査を足す順番がいいと思います。料金の続報が出たら追記します。





