先週、研修先の情シス担当の方とオンラインで打ち合わせをしていて、話がClaude Tagに逸れました。9月24日に入った個人コネクタの更新を、その方はSlackの通知で知ったそうです。

Claude Tag Slack の個人コネクタをめぐるそのときのやりとりを、ほぼそのまま再現します。情報は10月8日時点の公式発表とドキュメントで確かめ直しました。

「チャンネルのClaudeが、私のDriveを読むんですか」

情シスの方 「Claude TagってSlackのチャンネルに入れておくAIですよね。それが社員個人のGoogle Driveまで見に行くようになった、と読んだんですが」

筆者 「本人が頼んだときだけです。チャンネルで自分が依頼した内容に、自分のコネクタが必要になると、最初の1回だけClaudeが許可を求めてきます。許可すると、そのスレッドの中で使います」

コネクタとは、ClaudeがGoogle Drive、カレンダー、GitHub、顧客管理ツールなどの外部サービスを読み書きするための接続部品のことです。これまでチャンネルのClaudeが使えたのは、管理者がチャンネルに取り付けた共用のコネクタだけでした。今回から、各自が自分のアカウントでつないだものも使えるようになっています。

公式の例は、自分のDriveにある資料とチームのGitHubにある変更を見比べて、スレッドに結果を返してもらう使い方でした。

「出てきた答えは、誰に見えるんですか」

情シスの方 「そこが一番気になります」

筆者 「チャンネルの全員です。公式ブログにも、Claudeが投稿したものはチャンネルの全員に見える、とはっきり書かれています」

材料は個人のDriveでも、出力はチャンネルに出る。ここは研修でも必ず強調している点です。人事評価のメモを読ませて要約させたら、その要約はチャンネル全員の目に入ります。

そのために用意されているのが2つのモードです。

レビューモード は、Claudeの返答を投稿前に自分で確認してから出す方式。オートモード は基本的に自動で投稿し、機密を含むとClaudeが判断した場合だけ確認を求めます。

情シスの方 「判断するのがClaude自身、というのが引っかかりますね」

筆者 「同感です。Enterpriseプランでは、管理者が全員にレビューを必須にできるようになる予定です。ただ個人コネクタ自体、EnterpriseはTeamより後の提供です」

「記録はどこに残るんですか」

個人コネクタ経由で読んだものは、そのサービス側のログに、本人のアカウントとして残ります。DriveならDriveの操作履歴に本人の名前で出る、ということです。チャンネル共用のコネクタでの作業は、共用のサービスアカウント(人ではなくシステム用に作ったアカウント)側に記録されます。

もう1つ、公式が線を引いている部分があります。個人コネクタは無人では動きません。定時実行の処理や、Claudeが自分から始めた作業は、管理者がチャンネルに取り付けたコネクタだけを使います。夜中に誰かのDriveを勝手に読みに行くことはない、という設計です。

「導入するとき、Slack側で何を見ればいいですか」

ここからはSlack管理者向けのドキュメントで確かめた内容です。

Claudeが読み書きするのは、追加されたチャンネルとダイレクトメッセージだけです。アプリを入れただけでは、どのチャンネルにも入りません。

ただし例外があります。メンバーがClaudeの「このチャンネルに参加させる」提案を承認したときなどは、Claudeが自分で公開チャンネルに参加します。このときSlackの監査ログには、招待した人の名前が出ず、Claudeアプリが参加したとだけ記録されます。説明のつかない参加を見つけたら、誰かがボタンを押したか、管理者が設定した自動参加の条件に合ったかのどちらかです。

社外と共有しているSlack Connectのチャンネルでは、Claudeは返答しません。

導入はClaudeの組織オーナーが管理画面から始め、Slack管理者が発行するペアリングコード(15分で失効)でつなぎます。この2人は別の人であることが多いです。月の利用額の上限は、起動時の画面か、起動後の利用設定の画面で決めます。

「うちはTeamプランですが、もう使えますか」

筆者 「Claude Tag自体はTeamとEnterpriseで使えるベータ版です。今回の個人コネクタは、Teamプランから順次配信中で、Enterpriseは後からと発表されています。注意点として、Teamプランは利用クレジットを先に入れておかないとClaudeが動きません」

情シスの方 「じゃあ試すなら、うちのほうが先なんですね」

私も自分のワークスペースで設定画面を開いてみたのですが、最初はペアリングで止まりました。Slackの管理者権限を持っていなかったからです。オーナーと管理者が別の人だと、そこで1往復の連絡が要ります。15分の期限があるので、時間を合わせておくのがおすすめです。

打ち合わせのあとで決めたこと

その情シスの方とは、Claude Tag Slack の試験運用を次のように始めることにしました。

最初はレビューモード固定。個人コネクタは、社外秘を置いていないカレンダーだけ許可する。起動時には公開チャンネルを1つ選ぶ必要があるので検証用の公開チャンネルを用意し、本番の検証は起動後に /invite @Claude で招いた、メンバーを絞った非公開チャンネルで行う。

Claude Tag Slack の個人コネクタは、便利さと見え方の管理がセットの機能です。「誰のデータで、誰の目に出るか」を先に決めておけば、怖がる理由は減ります。

外部サービスのつなぎ方の基本はMCPの解説記事に。

チームで使う全体の設計はこちら。