2026年9月22日、AnthropicがClaude Opus 5.5を出しました。Opusは同社のモデルの上位の系統で、Opus 5の後継です。Opus 5のときの記事はこちら。

今回はOpus 5との差分に絞ります。10月8日時点で公式の発表ページとAPIドキュメント(プログラムからClaudeを呼び出すときの説明書)で確かめた内容です。

料金はOpus 5より2割下がった

単位はすべて100万トークンあたりの米ドル。トークンは文章を細かく刻んだ単位で、料金はこの数で決まります。

項目

Opus 5

Opus 5.5

入力

5ドル

4ドル

出力

25ドル

20ドル

キャッシュ読み込み

0.50ドル

0.20ドル

バッチ(入力/出力)

2.5ドル/12.5ドル

2ドル/10ドル

キャッシュは同じ前置きを何度も送るときに2回目以降を安くする仕組み、バッチは急がない処理をまとめて頼むと半額になる仕組みです。キャッシュは6割引きで、下げ幅がいちばん大きい。

公式は、既定の設定のまま一般的な作業をさせた場合の費用がOpus 5より約40%少なく、出力は30%以上速いと説明しています。単価の値下げに、使うトークンが減る分が乗る計算です。

性能の差は公式の表で見る

発表ページの比較表では、端末操作を伴うコーディング課題を測るTerminal-Bench 4.0が52.3%から66.4%へ、パソコンの画面操作を測るOSWorld 2.1が74.0%から81.8%へ上がっています。

どちらもAnthropic自身の測定です。

扱える文章の長さ(コンテキストウィンドウ)は100万トークン、1回で出せる長さは12.8万トークンです。

使えるプランと場所

チャット版のClaudeでは、Pro、Max、Team、席課金のEnterpriseで5時間あたりの利用上限が引き上げられました。

プログラムから使う場合は、Anthropic直結のClaude APIのほか、AWS、Google Cloud、Microsoftのクラウド経由でも使えます。モデルID(プログラムでモデルを指定するときの名前)は claude-opus-5-5 です。

速さを優先するFast modeは試験的な提供で、使えるのはClaude APIだけ。単価は通常の倍で、入力8ドル・出力40ドルです。

APIで直す場所はOpus 5との差分だけ

ここからはAPIを自分のプログラムから呼んでいる人向けです。チャットやClaude Codeだけ使っている人は、次の節まで飛ばして大丈夫です。

公式の「What's new」には、Opus 5で動いていたプログラムが動かなくなる変更が4つ載っています。

1つ目は思考を切れなくなったこと。思考(thinking)は答える前にモデルが内部で考える工程です。Opus 5ではeffort(考える深さの設定。lowからmaxまで選ぶ)がhigh以下なら止められましたが、Opus 5.5では止める指定も、思考の量をトークン数で決める古い指定(budget_tokens)も400エラーで突き返されます。深さはeffortで調整します。

// エラーになる
"thinking": {"type": "disabled"}
// こう書き換える(thinkingを省略しても同じ)
"thinking": {"type": "adaptive"},
"output_config": {"effort": "low"}

2つ目はツールの強制呼び出しが使えないこと。tool_choice で特定のツールを必ず呼ばせる指定(any と tool)がエラーになります。JSON(プログラム同士でやり取りするデータの書き方)の形を守らせたいなら、auto のまま strict tool use を使うよう公式は案内しています。

3つ目は思考ブロックが会話とモデルに結び付いたこと。過去の会話を書き換えて送り直すと、条件によってはエラーになります。会話は追記だけで進める作りが安全です。

4つ目はClaude APIとGoogle Cloudでのcomputer use(Claudeに画面を操作させる機能)。古い computer_20251124 は受け付けられず、computer_toolset_20260801 へ移します。Bedrockは従来のままで動きます。

エラーにならない変化もあります。effortの既定がhighからmediumに下がりました。 また、ツールの合間にモデルが書く途中経過の文章がthinkingブロックで返り、既定では中身が空になります。途中経過を画面に流しているアプリは、thinking.display の設定をしないと無言になります。

Claude Codeでは自動で切り替わっている

Claude Codeでは、9月22日のv2.1.280前後で opus という呼び名がOpus 5.5を指すようになりました。モデル名を固定していなければ、何もしなくても新しい方が使われます。

同じ更新で、ProとTeam Standardの既定モデルもOpusに変わっています。上限の減り方に関わるので別の記事にまとめました。

乗り換えで私がつまずいたところ

私が最初に引っかかったのは、動かなくなる4つの変更ではなくeffortの方でした。

社内の文書を要約させる小さなプログラムで、モデルIDだけ claude-opus-5-5 に書き換えて動かしました。エラーは出ません。ただ、要約が前より少し粗く感じた。設定を見に行ったらeffortを指定しておらず、Opus 5時代はhighだったものがmediumで動いていました。

high を明示したら手触りは戻りました。安くなった分をそのまま受け取るか、effortを上げて質を取るかは用途ごとに選べます。

Sonnet 5.5との関係

9月28日にはSonnet 5.5も出ました。単価はOpus 5.5の半分で、公式のベンチマークでは項目によってOpus 5.5に迫ります。使い分けはこちらで扱っています。

Claude Opus 5.5へ乗り換えるときにやることは、モデルIDの書き換え、思考とtool_choiceの指定の見直し、effortの明示の3つで足ります。computer useを使っている人だけ、もう1つ増えます。