名前が似ているせいで、研修の質問コーナーで2回続けて同じ取り違えが起きました。「Anthropicのマーケットプレイスって、Claude Codeで /plugin を打つと出てくるあれですよね」。違います。

Anthropicが2026年9月23日に公開した Claude Marketplace は、claude.com/marketplace にあるウェブ上の売り場です。Claude Codeの中で使うプラグインの配布元(以下、プラグインマーケット)とは、置き場所も相手も違います。この記事は、質問で実際に出たものを順に答える形で整理します。情報は10月8日時点のものです。

Claude Code のプラグインマーケットとは何が違うのか

いちばん多い質問なので最初に。

Claude Codeのプラグインマーケットは、ターミナル(文字を打ち込んでPCを操作する黒い画面)の中で /plugin コマンドからプラグインの置き場所を指定し、スキルやコマンドを自分のPCに入れる仕組みです。使う人は基本的に開発者で、入れる先はClaude Codeだけ。

Claude Marketplace のほうは、ブラウザで開く企業向けのカタログです。並んでいるのはClaudeにつなぐ部品だけではなく、Claudeを組み込んだ他社製品や、導入を手伝うコンサル会社まで含みます。

前者は工具箱に入れる工具の問屋、後者は工具も完成品も施工業者もそろうホームセンター、と言えば近いと思います。

Claude Code側の仕組みは別記事で手順つきでまとめています。

何が並んでいるのか

ページは3つの区画に分かれています。

Add(コネクタとプラグイン) は2,000以上。コネクタとは、ClaudeがGoogle DriveやSlackなど外部サービスを読み書きするための接続部品のことです。人気順の上位にはGoogle Drive、Gmail、Microsoft 365、Notion、Figma、Slack、HubSpotなどが見えました。

Buy(エージェントと製品) はClaudeを中で使っている他社のソフトです。発表ではCursor、Harvey、Lovable、CrowdStrike、Snowflakeなどが例に挙がっています。

Scale(サービスパートナー) は導入支援の会社で、Accenture、Deloitte、Boston Consulting Groupなどが名前を連ねています。

土台になっているのは MCP(AIと外部ツールをつなぐための共通の規格)と Agent Skills(Claudeに手順や知識を覚えさせる部品の規格)の2つ。どちらもAnthropicが公開したオープンな仕様です。

「利用コミット額を充当できる」とはどういう意味か

ここは企業の購買担当が気にする部分です。

大口の企業は、Anthropicと「年間これだけ使う」という利用額の約束(コミット)を結んでいることがあります。公式ブログには、そのコミット額の一部をマーケットプレイスの製品やサービスの購入に回せると書かれています。製品一覧にも「既存のAnthropicのコミットに計上できる」という趣旨の注記があります。

ただし、何割まで充当できるのかは公開されていません。個人や小さなチームには、いまのところ直接関係しない話です。

プラグインを作った側は、どこから出せるのか

2日後の9月25日に、投稿ポータルが開きました。場所は claude.ai/directory/manage/new です。

ここからは作る側向けの話なので、探すだけの人は読み飛ばして構いません。

出せる形は2種類あります。MCPサーバー(外部サービスとClaudeの間に立つ窓口のプログラム)のうちネット上に置いたものを指すコネクタ単体と、MCPサーバーとスキルを束ねてGitHub(プログラムを保管・共有するウェブサービス)に置いたプラグイン。Claude Code向けのプラグインなら、コマンドやhooks(決まったタイミングで自動実行される処理)、エージェントも同梱できます。

投稿すると自動で検証と安全スキャンが走り、審査の状況とフィードバックをポータルで追えます。承認されるとClaude directory(コネクタとプラグインの一覧)に載せられ、公開のタイミングは開発者が自分で決めます。公開後は、どの製品面(Claude、Claude Codeなど)でどのバージョンが何件入れられたか、どんな検索語で見つけられたかが見られます。

投稿できるのはClaudeの有料プラン(ProやMax、Team、Enterpriseなど)を使っている開発者だけです。無料アカウントでは入口に立てません。

自作のプラグインを出してみる価値はあるか

私は社内研修用に、議事録の整形をするスキルを1つ持っています。投稿ポータルの説明を読んで、出してみるか少し考えました。

結局まだ出していません。理由は単純で、そのスキルは弊社の研修資料の書式に強く寄せてあり、他社が入れても使い道がないからです。読んでいて気づいたのは、マーケットに出す前提だと「誰の書式にも合う汎用性」と「社内に効く具体性」がぶつかる、ということでした。

社内だけで回すなら、これまでどおりGitHubに社内だけに公開した置き場所(リポジトリ)を作り、Claude Codeに登録するほうが手軽です。プラグインそのものの作り方は以下にまとめています。

非エンジニアの担当者がまず見るべき場所

製品を探すだけなら、Claude Marketplace のAdd区画を開いて、自社ですでに契約しているサービス名で検索するのが早いです。社内の文書置き場がNotionなら「Notion」と打つだけで、つなげる部品の有無がその場でわかります。

MCPでつなぐと何ができるのかを先に知りたい人は、こちらから。

名前だけ覚えて帰るなら、こう整理してください。Claude Codeの中のプラグインマーケットは開発者の工具置き場、Claude Marketplace は会社で買うものを探すカタログ。同じ「marketplace」でも、開く場所が違います。