OpenAIが2026年9月29日に「Introducing dots」という発表を出しました。チャットを閉じても動き続けるエージェント(指示を受けて自分で手順を考え、道具を使って作業を進めるAI)です。
研修の受講者さんから最初に来た質問は「それ、日本で使えるんですか」でした。いちばん知りたいのはそこだと思うので、問いと答えの形で整理します。情報は10月8日時点です。
なお、OpenAIの発表記事の本文は筆者の環境から読み込めなかったため、公式のヘルプドキュメントを主な出典にし、報道からの情報はその都度そう書いています。
Q. 日本で使えますか
使えます。ただしプランと年齢と順番待ちの3つの条件がつきます。
公式ドキュメントでは、個人向けのPro(Pro 100、Pro 200、Pro 500)は「18歳以上で、欧州経済領域・英国・スイス以外」が対象です。日本はこの除外に入っていません。法人向けのBusiness PremiumとEnterpriseは世界的に展開中と書かれています。
もう一つ、段階的な提供なので、対象のアカウントでもすぐには表示されない場合があると明記されています。
実は私は最初、対象外だと思い込んでいました。先に読んだ報道記事に地域の話が見当たらず、「EUで出ない新機能は日本も後回し」という過去の経験則で判断していたからです。ドキュメントを開いたら除外は欧州だけでした。地域の条件は、思い込みで済ませずに原文を見るのが早いです。
Q. そもそもChatGPT dotsは何をするものですか
公式の説明は「ツールやプロジェクトをまたいで仕事を進め続ける、常時稼働のエージェント」。dotは1体、2体と数える、自分専用のAI担当者のようなものです。頭脳にあたるモデルはGPT-6 Astra(OpenAIの上位モデル)で、自分専用のクラウド上のコンピューターとブラウザを持って動きます。調べもの、分析、資料づくり、ソフトウェア開発まで想定されています。
ふつうのChatGPTは、こちらが話しかけたときだけ答えます。ChatGPT dotsは、会話と会話の合間にも作業を進めておき、終わったものを確認に持ってくる。朝Slackで「競合の新商品を調べておいて」と頼み、昼に結果を受け取る。この使い方が核です。
連絡の手段はChatGPTのほか、音声通話、Slack(DMでもチャンネルでも)、Microsoft Teams。メッセージは手段ごとに分かれますが、文脈は共有されます。
VentureBeatの報道では、プラグインを通じて4,000以上のアプリとつながるとされています。この数字は公式ドキュメントでは確認できていません。
Q. 勝手に動かれて困ることはありませんか
ここが一番気になるところでした。
公式ドキュメントでは、dotは基本的にクラウド上の自分のコンピューターで動き、利用者の手元のパソコンとは切り離されています。手元とつなぐこともできますが、つなげる個人の端末は同時に1台までです。
さらに、アカウントに影響する操作や情報を外に共有する操作の前には審査が入り、そのまま進めるか、本人に承認を求めるか、その手順を本人に戻すかが判断されます。何でも無言で実行する作りではありません。
会社で使う場合、Enterpriseでは既定で無効になっていて、管理者が有効にしないと使えません。勝手に社員が使い始める心配は、仕組みの側で抑えられています。
Q. 料金はどうなりますか
ここは公開情報が薄い部分です。
公式ドキュメントで確認できたのは、dotとの会話はChatGPTの利用上限に数えないこと、Work(ChatGPTの業務用の作業モード)やCodex(OpenAIのプログラミング用AI)で行う作業は通常どおり数えること、提供開始から1か月は上限が広げられていること。
VentureBeatは、ProとBusiness Premiumでは最初の1体が追加料金なしで含まれる、と報じています。同じ記事は、追加のdotの料金や重い作業に使える量などは公表されていないと書いています。2体目以降の値段は、10月8日時点では決まっていないと考えておくのが安全です。
Q. どこから作りますか
作成はパソコンからに限られ、ChatGPTのデスクトップアプリか、パソコンのブラウザを使います。作ったdotをスマホアプリから使えるようになるのは、今後のアプリ更新からです。
Q. 一緒に発表されたChatGPT Spaceは何ですか
ファイルとPage(ChatGPTと一緒に書き進める文書)をまとめて置き、他の人と共同で作業する場所です。閲覧だけの共有と、編集できる共有を分けられます。
VentureBeatは、Spaceが対象ユーザーで従来の「ライブラリ」を置き換え、社員・ChatGPT・Codex・dotsが同じ文脈で作業する層になると伝えています。対象プランについては、公式ドキュメントでは「Spaceが有効なアカウントが必要」とまでしか確認できませんでした。
Q. Claudeを使っている人は乗り換えるべきですか
急ぐ理由は、いまのところ見当たりません。ChatGPT dotsの強みは「話しかけていない間も動く」ことで、Claudeの側にも、仕事をまるごと渡して離れられるClaude Coworkがあり、7月からはパソコンを閉じても作業が続く形になっています。両方の役割の違いはこちらに書きました。
まず確かめるべきは、自分のプランが対象かどうかです。Proなら年齢と地域の条件は日本で満たせるので、順番が来るのを待つ形になります。料金の続報が出たら、この記事に足します。





